カルダノ、ついにカスタムトークン提供へ ! EMURGO東京イベントに登場した「未来のカルダノトークン」

6月10日、カルダノ(Cardano, ADA)関連サービス開発を手がけるエマーゴ(EMURGO)が、都内で支援者向けイベント「Cardano Blockchain Tokyo」を開催しました。
このイベントでは、カルダノ創設者であるチャールズ・ホスキンソン氏が登壇したほか、新たにカルダノ・コミュニティに加わったブロックチェーン関連事業者も登壇。今後のカルダノの展開と、カルダノを活用したビジネスモデルについて多数の発表がなされました。
カルダノ(Cardano, ADA)とは?
カルダノ(Cardano,ADA)とは、2015年2月に設立されたカルダノ財団と、同年6月に設立されたIOHK(Input Output Hong Kong)、そして2017年に設立した「エマーゴ(EMURGO)」によって運営されている、ブロックチェーンプラットフォームであり、独自トークン(ADA、エイダ)による、「スマートコントラクト」を擁した決済システムの提供を目指し開発が進むプロジェクトです。
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EMURGOの児玉さんに、カルダノ(ADA)について全部聞いてきました!
スマートコントラクトを簡単に説明すると、「ブロックチェーン決済において、設定された条件を満たしたときにのみ、自動的に決済が行われる」という仕組みです。
この技術はイーサリアム(Ethereum)によって実現されたシステムで、イーサリアム・プラットフォームを活用することで、独自の条件設計を行った「カスタムトークン」により、ビジネスにおける様々なエコシステムを形成することができます。
この仕組みによって、2017〜2018年には、いわゆる「ICOブーム」が巻き起こりました。そのような中、ICOブームでは多くのスキャム(コイン)が生まれるなどの弊害も起きています。
カルダノ・プロジェクトは、このような「コンプライアンス的な問題」や「ブロックチェーン設計」などの課題を解決した、新たなブロックチェーン決済システムを構築するために創設されました。
「学術的な見地」を重視し、堅実な開発を行う
カルダノ・プロジェクトの大きな特徴は、学術分野などをベースとした第三者機関によって、厳密なチェックを行いながら開発を進める、という手法です。
代表のチャールズ・ホスキンソン氏は、この日の登壇で次のように述べています。
「今開発している技術は、私たちの子供たちが将来、利用するかもしれない技術です。もちろん、未来のことはわかりません。しかし、現在のことは最大限に知る努力をすることができます。現状の技術について、学術的にどのような選択肢やトレードオフがあるか、専門家の見解を確認しながら、多くの人を巻き込んで議論しながら進めていきたいと考えているのです。だからこそ私たちは、慎重に、時間をかけて進めているのです」
またホスキンソン氏は、二週間後を目処に、次のバージョンにあたる「シェリー(Shelly)」のテストネットをローンチし、その後、本格稼働を進めると発表しました。
「シェリーが本格稼働すれば、ステーキングが始まり、カルダノの非中央集権化が実現します。みんなが責任を持ち、皆で意思決定をしていくことになります」(ホスキンソン氏)
「カルダノベース」のカスタムトークンが生まれる?
本イベントでは、「カルダノ・コミュニティに加わった」企業たちが続々と登壇。それぞれがすでにイーサリアムベースのトークンでサービスを開発・提供しており、今後、カルダノベースのカスタムトークンへの移行を視野にしています。
【YOOSourcing :ブロックチェーンによる調達支援ソリューション】

YOOSourcingは、「グローバル市場での調達を支援する」ブロックチェーン・ソリューションを提供するスタートアップです。
メーカー企業や商社などでは、資材や材料、海外製品などを調達する際に困るのが、初めて仕事をする企業の実績や信頼性がわからない、という課題があります。
同社では、ブロックチェーンを活用したWeb、モバイルアプリによるプラットフォームにより、調達先の企業の信頼評価や実績の透明化をはかり、多国籍間での調達を円滑に行うことができるサービス構築を目指しています。
現在、カルダノADAベースのトークンによるエコシステムの構築を目指しているようです。
【COINCOME :分散型キャッシュバックサービス】
COINCOMEは、ポータルサイトから各ECサイトへ誘導し、そこからユーザーが買い物をすることで、ユーザーにポイントをキャッシュバックするサービスです。
ポイントは独自トークン(CIM)によって付与され、これをCOINCOME上で、各ECなどのショッピングポイントなどに変換することで、買い物に利用することができます。
CIMの獲得量は、CIMの保有量に応じて増える仕組みになっているほか、CIMをショッピングポイントに変換するシステムであるため、CIMの価値が一定に保たれるような工夫がされています。
すでに大手ショップ、サービスと提携が進んでおり、今後の展開に期待がかかります。
【レジェンドヒーローズ :ブロックチェーン活用の実践型ゲーム】
レジェンドヒーローズは、スマートコントラクトを実装した「実践型スポーツゲーム」の開発・提供を行っています。野球ゲーム「Legend Heroes」などを筆頭に、アミューズメントパークなどをメイン市場とした、実践型スポーツゲームを提供しています。
一見すると通常の体験型ゲームですが、同社ではEMURGOと連携し、今後ブロックチェーン基盤のシステムの実装に向けて開発を進めています。
カルダノ・ブロックチェーンを活用し、プレイヤーデータの活用や、広告配信による新たなエコシステムの構築を目指しています。
【araPay :韓国で普及拡大中のキャッシュレス決済サービス】

ara Payは、韓国でキャッシュレス決済サービスを提供しているフィンテック企業です。
非接触型カードやモバイル決済を活用し、独自ポイントによってコンビニ、公共交通機関、タクシー、小売店など、幅広い場面ですでに決済手段として利用することができます。
現在、ARA PAYは、FIATベースでの入金から「ARAポイント」による決済を行っており、基本的にはSUICAカードのようなイメージで決済できます。既存のPOSシステムに完全に対応しているため、公共交通機関やコンビニを中心に、続々と拡大が進んでいるようです。
さらにaraPayでは、「暗号資産をより日常的に」をテーマに、暗号資産と現金(もしくはaraポイント)をブリッジする「ARA PAYトークン(ARA)」の開発を進めています。
暗号資産所有者は、ARAのアライアンスコイン(ADA)によってARAを購入し、これをARAポイントに交換。そしてARAポイントを ARA PAYカードやアプリに入金することで、日常の商品購入やサービス利用に使用することができます。
日本以上にキャッシュレスが進む韓国で、どのような展開をしていくのかが注目されます。
カルダノ(CARDANO)の本格始動は間近か?
シェリーへのアップデートによるステーキング開始や、カスタムトークンに向けた具体的な開発が進むプロジェクトの登場など、いよいよ本格的な「実用への転換」に向けて動き出したカルダノ。
暗号資産市場で今後、どこまで注目を集めることになるのか、目が離せません。