【コイン会議2】指針とCP編集部が振り返る、2017年度の仮想通貨市場 その2

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投資家が見る、コインチェック事件の功罪

ノムラ:2017年12月末のXRPについては、非常に過熱感がありましたね。その後、年末年始の銀行業務休止を経て、年始からは一気に仮想通過市場が盛り上がりました。
そこで多くの新規参入者が冷や水を浴びせられたのが、1月末のコインチェック事件ですよね。二人は事件当時、コインチェックを利用されていましたか? 私もいくらか凍結の憂き目に遭いました笑

エスケー:コインチェックは結構使っていました。実際、どの取引所にもハッキングリスクはあるだろうなとは思っていましたが、流石にコインチェックのような大きな取引所が被害に遭ったのには驚きました。事件後の動向については楽観視していましたけれど。

指針:コインチェックは、もともと仮想通貨を始めた当初から利用していた取引所でした。ただ、なかなか登録業者になれないという問題があったので、直前に大部分の資産を動かしていたので、大ダメージは回避できました。
コインチェックに問題があったことは事実ですし、多くの利用者が資産を一時凍結されたことは、やはりあってはいけないことです。ただ、金融庁の目が入ったこともあり、2ヶ月で補償金を支払い、最小限のダメージで運営を再開できたこと自体はよかったと思っています。マウントゴックスの場合、会社は倒産し、被害額の10%を返還するのに数年もかかっています。こうした事態も想定できただけに、最悪の状況にならずよかったとは思います。
今回の事件によって、ハッキングからの暴落シナリオというのも明確になったと思いますし、政府から厳しい目が入ったことで健全化への一助にはなったと思います。

エスケー:ただ、コインチェックがあれだけ迅速にネム(XEM)の補償ができたことについては、「何かしら裏の方法での利益を上げていたのでは?」という疑惑が生まれたことも事実です。ネットでは「ノミ行為を行っていたのではないか」という声もあがっています。コインチェックのサイト上で売買したとしても、実は出金しようとしたときだけ売買が発生していたのでは、という疑いもあったり……。

ノムラ:盗難されたネムは、ホットウォレットに大量のXEMを入れておくことでスーパーノードとして利益を出せる仕組みなので、顧客のネム資産を流用していたのでは? という疑惑もネットで流れていましたね。

エスケー:コインチェックの事件で、どの業者も裏で何をやっているのかわからない、という学びの場となりましたね。基本的には、いろいろな取引所でたくさん口座をつくり、分散させることが大切だと思います。


【参考記事】
仮想通貨はどこで買う? 取引所の基本と選び方を伝授!

 

ポスト・コインチェックとなる仮想通貨取引所は?

ノムラ:指針さん、エスケーさんは今後、コインチェックを利用しますか?

指針:現在はBittrexを中心に取引をしているので、敢えて戻る必要はなくなってしまいましたね。手数料的にも銘柄的にもメリットが少ないかなと。ただコインチェックは、国内ではアルトコインが豊富で、サービス自体はよかったと思います。昨年5月までは、お金も貸してくれましたし。サイトやアプリもユーザーにとってはものすごくわかりやすくて見やすいんですよね。

エスケー:僕の方は、比率は下げましたが、なんだかんだで使い続けていますね。一回やらかしたから、もう少し失敗しないのではと思っています。国内取引所をメインに使っていくのであれば、コインチェックを外すというのは非効率かなと思います。他の業者がよりいいかといえば、そう確信を持てる業者もないのが現状ですよね。

指針ビットコインのレバレッジ取引については、国内の取引所の中ではものすごくよかったと思っています。サーバーが安定していて、ポジションの建て方も自由度が高かったです。今でも再開を期待しますね。

ノムラ:指針さんはレバレッジ取引も積極的にやられていますが、現在はBitMEXも利用しているそうですね。

指針:BitMEXは、海外の取引所なのでビットコインを送金して利用しますが、100倍までレバレッジをかけることができます。ビットコインがなかなか上がらない中、塩漬けBTCがある方は活用してみてもよいのではないでしょうか。


【参考記事】
【仮想通貨取引所】BitMEXとは? その特徴とメリットを紹介


ノムラ:海外の取引所といえば、Binanceが金融庁の警告を受けたというニュースがありましたね。

指針:Binanceに関しては、以前は中国の取引所ということで一歩引いていたのですが、警告を出された際にすぐにCEOがTwitterで状況を報告したり、マルタに企業拠点を移すと表明するなど、スピード感を持って経営しているので好感が持てますよね。

エスケー:警告によって相場が下落して大きな騒ぎになりましたが、値動き自体は些細な問題だと思います。それよりも、Binanceの拠点を追い出してしまったことは、日本にとって痛手だったなと思います。追い出すのではなく、仮想通貨の拠点を日本にたくさん迎え入れることで、日本を仮想通貨の中心地にすることだってできたはずです。こう言ったチャンスをみすみす潰してしまうのもどうかと思いますね。

指針国が仮想通貨を規制したい理由の1つに、国際送金が簡単すぎるという点があると思います。仮想通貨によって日本の資産を簡単に海外に飛ばせてしまうので、金融庁としては何とかしたいところなのではないでしょうか。これに関しては、4月4日に日経新聞が財務省による規制の可能性を報じましたね。
今後、日本人にとって国外取引所が使いにくくなるのかな、と思っています。現状では、税金逃れが横行したり、国の資産管理がしずらくなってしまうので。東証やNASDAQのような中心機関ができるといったことも、可能性として想定する必要があるかもしれません。

ノムラ:Binanceは日本人にも人気のある取引所ですよね。日本に支店を持つ可能性は消えてしまったのでしょうか。

指針Binanceが、日本が認めているアルト以外は扱わないといえば、すぐに許可できるのではないでしょうか。コインチェックが認められていない大きな理由は、日本が認めていないアルトの取り扱いがあるからですよね。取引所が、というより「扱っているコインが何か」という問題だと思います。


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日本では今後、取扱銘柄は増える?

ノムラ:コインチェックは、モネロ(XMR)、ジーキャッシュ(ZEC)、ダッシュ(DASH)などの3通貨の取扱を中止すると発表しましたね。金融庁を意識してのことだと言われています。国内のアルトコインは今後、増える見込みはあるでしょうか?

指針:時間をかけて増えていくんじゃないですかね。ビットフライヤーが今年1月にリスク(LSK)を上場しましたが、これは去年の10月の時点ではホワイトペーパーに載っていないので、11月くらいから上場しようとしていて、結果数ヶ月かかってしまったと考えられます。その一方で、海外の取引所では1、2週間で新規銘柄が上場しています。
これらを考えると国内では年間で数個という、スローペースで増えていくと思われます。

エスケー:国内で手堅く稼いでいる投資家にとっては、メジャーなものしか手を出したくないので、あまり影響を受けないと思います。上位10個あれば十分、という投資家も多いはず。基本的に、低いところで買って高いところで売れば資産が増えていくわけなので。現時点で、長期投資の買い場としては上出来だと思います。

ノムラ:では最後に、2018年上半期の戦略を教えてください。

指針ここ3ヶ月で「底打ちした」と言える局面が出てくると思います。3月末時点では、その状況にはなっていません。2018年の上半期では、その「底打ちした場面」を見極めて、いかに買い集めるかが勝負です。上半期で多少の儲けが出たからといって、どうのという時期ではありません。じっくり我慢しながらコツコツ買っていって、底打ちしたら一気に買う。つまり今は、年末に向けた買い場だと思っています。5、6月に強く上げると言っている人もいますので、上半期は焦る必要はないかなと思っています。

エスケー:僕の場合は、基本的にリップルにかけてガッチリホールドしつつ、ビットコインも買い始めています。指針と同じく、大底が近いと思っているので。リップルは将来性を考えたときに面白いと思うし、税金の兼ね合いもあるから、取引を最小限にしつつ、大きな相場で利益を確定させたいところですね。


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