ビットコイン(BTC)とは? その仕組みと投資対象としての魅力を紹介!

ビットコインといえば、仮想通貨の代名詞的な存在です。
「仮想通貨=ビットコイン」といったイメージの方も、今のところ少なくありません。
ビットコインの簡単な仕組みについては、別の記事で紹介しましたが、本稿ではその詳しい仕組みから最近までの動向、そして投資対象としての魅力について紹介します。
目次
-1.匿名性が高く、規制の対象になりやすい
●1 ビットコイン(BTC)の基本情報
●2 BTCの特徴1:世界初の「分散型デジタル通貨」
●3 BTCの特徴2:参加することで報酬が得られる「PoW」
●4 PoWの「マイニング」とは?
●5 今からでもビットコインを買う理由
-1最も手堅い仮想通貨だから
-2.金融商品の中でも圧倒的にボラティリティが高い
-3.仮想通貨内の「基軸通貨」だから買う
●6 ビットコインの問題点は?
-2.管理者がいない
-3.送金費用の高騰&速度の低下(解決済み?)
●7 ビットコインが買える取引所は?
ビットコイン(BTC)の基本情報
ビットコインを客観的に見るために、基本情報をおさらいしてみましょう。
仮想通貨名 | ビットコイン(bitcoin、複数形:bitcoins) |
略称とシンボル | BTC、₿ |
リリース | 2009年1月3日 |
開発者 | Satoshi Nakamoto(提唱者として) |
ホワイトペーパー | Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System |
公式クライアント | ビットコイン・コア(Bitcoin Core) |
配布形式 | オープンソース(非中央集権型) |
最大配布量 | 2100万BTC |
最小単位 | 1/100000000BTC(=1 Satoshi) |
タイムスタンプ形式 | プルーフ・オブ・ワーク(1取引=12.5BTC) |
ブロックタイム | 10分 |
公式ウォレット | Bitcoin Core |
販売所・取引所 | BitFlyer、Bitbank、Bitpointほか、すべての取扱業者 |
公式サイト | https://bitcoin.org/ja/ |
BTCの特徴1:世界初の「分散型デジタル通貨」
ビットコインは、すべての仮想通貨を代表する銘柄で、その運用方式はほとんどの仮想通貨のベースとなっています。
ビットコインは、2008年に「Satoshi Nakamoto」を名乗る「謎の人物」がネット上に発表した論文に端を発し、これに共感したエンジニアグループによって、2009年にリリースされました。
この論文では「国や中央銀行などの制約を受けない、完全に自由な通貨」としての「P2P通信を活用した電子通貨:ビットコイン」が提唱されています。
P2P通信とは、ネットワーク上の不特定多数のコンピュータ(ピアまたはノード:結節点)を介してデータの管理・検証・移動が行われる方法です。これを活用することで、ビットコインは単一の管理者や大規模サーバーなどを必要とせず、不特定多数の参加者によって運営されています。
運用面では、ブロックチェーン(≒分散型台帳技術)によって成り立っています。ブロックチェーンでは、各取引に関する情報を1ブロック(=台帳)という単位にまとめ、それを「最初に発生した取引」から「最新の取引」を一連のデータとして、連結しているのが特徴です。さらにP2P技術による検証方式により、1つのデータを改ざんするためには、複数のコンピュータが確認している連動したデータを、すべて改ざんする必要があります。
「非中央集権化」を目指したビットコインは、この強力なセキュリティと民主主義的な参加方式により、特定の国や金融機関の制約を受けない「自由なデジタル通貨」として人気を博しました。
BTCの特徴2:参加することで報酬が得られる「PoW」
ビットコインのもう1つの特徴は、「プルーフ・オブ・ワーク」というタイムスタンプ方式を採用していることです。
タイムスタンプとは、電子データが「その時点とそれ以降で、データが改ざんされていない」ことを証明する技術です。
プルーフ・オブ・ワークでは、新規ブロックを検証する権利を「先着1名」に与え、その検証者に新規発行のビットコインを報酬として与えるルールとなっています。
ビットコインは核となる中央システムが存在しないため、新規ビットコインを報酬とすることで、システム参加者のモチベーションを高め、システムを運営しているのです。
PoWの「マイニング」とは?
PoWでは、検証を行うことで新たにビットコインを得られることから「マイニング(採掘)」と呼ばれています。
マイニングでは、イギリス人の暗号理論学者アダム・バックが考案した「アンチ・スパム・スキーム、ハッシュキャッシュ」をベースにしたシステムを採用しています。
新規ブロック用のハッシュ値(取引の固有データ)を求め、このハッシュ値が、ネットワーク上の「採掘難易度よりも小さい値」になるような「ノンス値(不特定数値)」を見つけなければいけません。
ノンス値は一回限りの値であり、ハッシュ値から導き出すことができません。そのため、ノンス値を求めるには総当たりで割り出す必要があります。
多数の参加者の中から一番にノンス値を求める必要があり、マイニングを成功させるにはマシンパワーがものを言います。
2018年現在、マイニングで得られる新規ビットコインは12.5BTCです。1BTC=10万円で125万円、2018年では1BTC=100万円以上のため1,250万円にもなります。
そのため近年はマイニングのための施設合戦が進み、サッカー場規模のような巨大なマイニング施設が必要とされるようになってきました。
金融商品としてのビットコインの魅力
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、2017年4月に「資金決済法」が改正されたことで、「法定通貨ではないが決済に使用できるもの」として世界で初めて法的根拠を得ました。
この影響で、ビットコインの価値は2017年初夏に大幅に高騰しました。さらに、2017年12月には、アメリカのCME(シカゴ商品取引所)がビットコインを先物取引の対象としたことで、ビットコインの金融商品としての価値が大きく高まりました。
CMEは、株式や外国為替、土地や現物資産など、金融だけでなくすべての資産商品を取り揃え、これらの指標ともなっている世界最大規模の資産商品取引所です。このような企業が本格的な金融商品と捉えたことで、これまでにない資産家の関心を買うことになったのです。
今からでもビットコインを買う理由
すでにバブルを予見されるほど価格が高騰したビットコインですが、今からではやっぱり遅すぎ流でしょうか? 今からでもビットコイン購入はメリットを紹介します。
1.最も手堅い仮想通貨だから
ビットコインは、数ある仮想通貨の中でも最も有名で、最も取引量のあるコインです。
現在、日本ではビックカメラなどの大手企業で決済が可能であるなど、実際の生活でも利用可能な場面が増えてきています。このように普及が進み流動性が高まることで、通貨としての信頼性もさらに高まると考えられます。
また、分散投資では、まず「最もリスクが少なく、最も手堅い商品」を軸に取得し、そこから「ハイリスク・リターンが高めな商品」に分散していくことが、大負けを避けるポイントです。
2.金融商品の中でも圧倒的にボラティリティが高い
ビットコインは、世界中の人々が様々な状況で購入するため、ボラティリティ(価格変動幅)が非常に大きいのが特徴です。外国為替では年間でも変動幅は10%未満が一般的ですが、ビットコインの場合は1日で10%以上の価格差が出ることが度々あります。
これを利用し「底値で買って高値で売る」ことができれば、短いサイクルで利益をあげることができます。短期トレードを行う人にとっては、ビットコインは格好の金融商品と言えます。
もちろん、元手の数倍で大きな利益得ることができるFXや先物取引にとっても、ビットコインの魅力は大きいと言えます。
高いボラティリティを持つビットコインでレバレッジを使うことで、短期で大きな利益を得ることができます。もちろん、その一方で短期で計り知れない損を受けることもあるので、証拠金取引には注意が必要です。
3.仮想通貨内の「基軸通貨」だから買う
中級者以上になってくると、「アルトコインを買うために」という、媒介通貨としてビットコインを購入する場合があります。
例えば、アルトコインを豊富に取り扱う海外の取引所では、各銘柄は基本的にビットコイン建てで売買されます。海外の取引所では日本円は使用できません(そもそも、送金の手数料も高く時間がかかるため、ビットコインの方が便利ですが…)。
そのため、海外の取引所でアルトコインや草コインを購入する場合、まず日本の取扱所でビットコインを購入し、それを海外取引所にある自分のアカウントに送金します。そこで着金を確認した後、ビットコイン建てでアルトコインを購入することができるようになります。
このようにビットコインは、「ビットコイン以外の銘柄を買いたい人」でも購入する必要があります。
ビットコインの問題点は?
仮想通貨の代表選手と言えるビットコインですが、そのシステムやほかの通貨などと比較すると、必ずしも万能とは言えない部分もあります。
1.匿名性が高く、規制の対象になりやすい
ビットコインを取り扱う上で覚えておきたいのが、ビットコインをめぐる規制についてです。
ビットコイン対する最も大きな批判としては、「ビットコインは匿名性が極めて高く、マネーロンダリングの温床となる」というものがあります。
アメリカでは、2013年に連邦捜査局が闇サイト「シルクロード」を摘発したことが報道されました。このサイトでは、麻薬やハッキング技術、クレジットカード情報などの取引を、ドルではなく、足がつきにくいビットコインで行われていたことが知られています。
「ビットコインは犯罪の温床になりやすい」という声が高まることで、「規制の対象になりやすい」というリスクが生まれます。
例えば、2018年1月、中国政府がビットコインおよび仮想通貨を全面禁止すると発表しました。もともと中国はマイニング大国とも言われ、仮想通貨大国でもあったため、大量の売りが発生し大暴落を起こしました。
ビットコイン、並びに仮想通貨を購入する際は、規制が行われることでFUDが広がり、価格が暴落するリスクがあることを常に念頭においておきましょう。
2.管理者がいない
ビットコインが「非中央集権」を目指す上で構築したのが「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」ですが、この仕組みが逆に「中央集権化」を生んでいるという批判があります。
各トランザクションを検証することで、平等に参加者を募るPoWですが、ノンス値を求めるための仕組みである「マイニング」は、ウィナー・テイクス・オール(勝者が全てを得る)方式です。
そのため近年では、「巨大なマイニング・ファームを持っているか」が、マイニングの勝敗を分けることになってしまいました。
これにより、ごく一部の人々だけがマイニングに参加することができ、新規発行のビットコインを寡占し始めていることが問題となっています。このことがビットコインの「運営体制」に影響を与えるのでは、という懸念があります。
例えば、ビットコインキャッシュは、ビットコインのハードフォークで生まれた仮想通貨ですが、このときに中心的な役割を担ったのが、中国の大手マイナー(採掘者)であるBitmainです。
ビットコインは、取引量が増えるにつれ、ビットコインのブロック容量が足りなくなり、送金速度の遅延する「スケーラビリティ問題」が発生していました。そこで、Bitmainをはじめとするグループが、ビットコインのブロックサイズを拡大することで、通信が過密になった場合の遅延問題を解決できると考えました。
ビットコインからハードフォーク(分岐)させたビットコインキャッシュ を生み出します。この際、取引データを圧縮して解決する「SegWit」を採用する案もありましたが、マイナーにとってはデメリットのある案だったため、ブロックデータを大きくする仕様変更を選んだのです。
ビットコインキャッシュの場合は意見の対立があったためハードフォークで済みましたが、今後、一部のグループの意見による仕様変更が行われないとも限らないのでは? という懸念が生まれてしまいました。
3.送金費用の高騰&速度の低下(解決済み?)
ビットコインキャッシュが生まれた背景でも紹介しましたが、ビットコインは取引が増えるにつれ、送金速度の遅延が問題となりました。
またこれまで安価だった通信料も、ビットコインの価格に合わせて高騰し、銀行の振込手数料よりも高くなる状況となりました。
これに対応すべく、2017年8月にソフトフォークとして「SegWit」を導入しました。SegWitでは、ブロックに記録されている情報の一部(電子署名の部分)を別管理することでデータを圧縮することで、ソフトフォークによるスケーラビリティ問題対策を図りました。
SegWitの導入は各取引所で緩やかに進んでおり、送金速度が飛躍的に向上しています。それに伴い、SegWitを導入した取引所では送金手数料の変更が進んでいます。
速報:SegWit導入率上昇によるビットコイン手数料低下に伴い、世界の取引所がビットコイン引き出し手数料の変更を開始。USD最大の取引所Bitfinexは大幅に調整し、0.0004BTC約600円に変更 #ビットコイン #Bitcoin #仮想通貨 #ブロックチェーン #フィンテック $BTC #Bitfinex #SegWit https://t.co/yAYkZsv2B5
— 墨汁うまい(BlockchainUmai) (@bokujyuumai) 2018年3月2日
ビットコインが買える取引所は?
ビットコインは、前述の通り仮想通貨の中の「基軸通貨」とも言える存在です。そのため、仮想通貨取扱所であれば、ビットコインの取り扱いは必ずあります。
購入する際には、基本的には手数料のかからない「取引所」を活用しましょう。また、取引所は複数アカウント取得し、「その時の最安値」をつけている取引所で購入するのがオススメです。
SegWitの導入により、弱点とされた送信速度の対策も進み、より存在感が増しそうなビットコイン。イーサリアムやリップルなどのライバルが登場する中ですが、やはり「避けては通れぬ存在」であることに変わりはありません。
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